ホームページを持っている塾は、たくさんあります。
ただ、正しく運用できている塾は、ほとんどないと感じています。制作会社に依頼して、納品されて、公開して——そこで止まっているケースが、実感として9割を超えます。「うちはHPがあるから大丈夫」と思っている塾経営者が、気づかないうちに問い合わせを失い続けているとしたら、それはあまりにも惜しいことです。
なぜ「作って終わり」では駄目なのか。その理由を整理します。
Googleは、更新されないサイトを評価しなくなっていく
まず知っておいていただきたいのは、Googleの検索順位が「最後に更新された日時」に影響を受けるという事実です。
もちろん更新頻度だけが全てではありません。ただ、長期間まったく更新されていないサイトは、Googleから見て「情報が古い、または管理されていない」と判断されやすくなります。検索で上位に表示されるためには、サイトが生きていること、情報が新鮮であることが必要です。
塾の検索は地域名と組み合わせた検索(「◯◯市 学習塾」など)がほとんどです。競合他塾が少しずつ情報を更新しているのに、自塾のサイトが3年前のまま止まっていれば、少しずつ順位を下げていく可能性は十分にあります。HPを作るだけでは、入口に看板を立てたに過ぎません。その看板が年々色あせていくとしたら、通りがかる人は減っていきます。
情報が古いHPは、保護者を不安にさせる
検索順位の問題だけではありません。もっと直接的な問題があります。
保護者がHPを見たとき、「この塾、今もちゃんと動いているのか」と感じる瞬間があります。料金表が数年前のまま、スタッフ紹介の写真が変わっていない、お知らせの最終更新が2年以上前——こういったサイトを見たとき、保護者の頭に浮かぶのは安心感ではなく、小さな疑念です。
問い合わせをするという行為は、保護者にとってそれなりの決断を伴います。電話をかける、フォームを送る、それだけでも「もし変な塾だったら」という不安が働く。そのハードルを越えてもらうためには、HPが「今もきちんと営業しています」「ちゃんと管理されています」という空気を持っている必要があります。
古い情報のまま放置されたHPは、その空気を壊します。授業がどれだけ良くても、保護者はHPで感じた違和感を超えてまで問い合わせをしようとは思いにくいのです。
実際に何が「古くなる」のか
では、具体的に何が時間とともに陳腐化していくのかを考えてみます。
まずは料金です。消費税の改定、近隣の競合状況の変化、カリキュラムの変更——理由はさまざまですが、料金は定期的に見直されるものです。HPに掲載された料金が現在と異なる場合、問い合わせの時点でトラブルが生じるケースもあります。
次に、スタッフ情報です。講師が変わったり、新しく加わったりすることは珍しくありません。特に個人塾では、塾長の人柄や考え方がそのまま選ばれる理由になることが多く、写真や自己紹介文がいつの間にか現実と乖離していると、初対面で保護者が感じる「思っていたのと違う」という印象につながります。
また、お知らせや実績のページも同様です。昨年の夏期講習の案内がそのまま残っていたり、更新が止まっているブログが古い投稿を表示し続けていたりすると、「管理されていないHP」という印象を与えます。たとえ意図せず放置してしまっていたとしても、保護者にはその意図は伝わりません。
なぜ更新が止まるのか
こうして話すと、「分かった、更新しよう」となりそうなものですが、現実にはなかなか難しい。それはなぜかというと、更新が止まる理由がいくつか重なっているからです。
一つは、更新の方法が分からない、あるいは操作が面倒だということです。制作会社に納品してもらった当初はなんとなく触れていたが、時間が経つうちに操作を忘れてしまった——そういう声は珍しくありません。
もう一つは、「何を更新すればいいか」が明確でないことです。ブログを書くのか、お知らせを更新するのか、料金を変えるのか。方針がないまま放置されると、結果的に何もしないまま時間が過ぎます。
そして最後に、更新そのものにかける時間が取れない。授業の準備、生徒対応、保護者連絡——塾経営者の日常は想像以上に忙しい。HPの更新は、どうしても後回しになります。
「育てる」という発想に切り替える
HPは、作った瞬間が完成ではありません。公開した後から、少しずつ育てていくものです。
とはいえ、毎日更新する必要はありません。最低限、料金や時間割の変更があれば即時に反映する、季節の節目(春期・夏期・冬期講習)に合わせてお知らせを出す、年に一度は全体の内容を見直す——この程度が最低ラインとして機能します。
それさえも難しければ、運用を外部に任せるという選択肢があります。月に一度、変更事項を連絡するだけで対応してもらえる体制があれば、HPが止まり続けることは防げます。大切なのは、仕組みを作ることです。一人で抱えようとすると、どうしても後回しになります。
HPを作るときに、「作って終わり」ではなく「誰がどうやって更新していくか」まで決めておくこと。それが、長く問い合わせを生み続けるHPの、最初の条件です。
まとめ
良いHPを作ることと、そのHPを機能させ続けることは、別の話です。
HPを持っているのに問い合わせが来ない、という悩みの裏には、作って終わりにしてしまっているという現実が潜んでいることが少なくありません。検索順位への影響、保護者に与える印象、情報の陳腐化——これらはすべて、更新されないHPが静かに積み重ねていくマイナスです。
HPは、塾の顔です。その顔が、何年も変わらないままであれば、初めて訪れた保護者には「止まっている塾」に見えてしまいます。
制作にかけたコストと労力を、正しく活かし続けるために。HPを「育てる」という感覚を、ぜひ持っていただければと思います。
